午前1時の思考停止
私の背中には、自分じゃない腕の感触がある。

そう言えば、この部屋に引き入れられてからずっと抱きしめられている……







「あの……」

「ハハハ……今頃気付いたんですか?無防備にも程がありますね」






三度クスリと声が落ちてきたかと思ったら、首筋にチクリと刺すような痛み
その後すぐにフワッと媚薬のような煙草の匂いが鼻をくすぐる。







「そんなトロンとした目で人の家に入って来られたら、理性なんて働かないよ」



「んっ……やめっ!」






口では拒否しているのに、触れられた唇から全身へ熱が一気に広がる。
さっき冷めたはずの酔いが、再び強くなって戻ってきたみたいだ。
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