はじめまして××さん



止まっているのがおそらく3階と4階の間だから、

この人の家は4階にあるらしい。



「あ、私も。

私もなんです、4階。」



「へぇ!!

奇遇だね!!」



顔の細かい表情とかまでは分からなくても、

声の雰囲気で優しそうな人だな、と思う。



確かに止まる前、4階しか光ってなかったなと考えていると、


「あ、そうだ。」



と男の人は突然、鞄をガサガサと探り始めた。



「携帯!!」



取り出したのはスマートフォン。



パッと画面に光がついて、男の人の顔が照らされて浮かび上がる。



「誰に連絡すれば確かかな…??」



私はその男の人の顔に釘付けになった。



きめ細かい白い肌に、スッとした高い鼻、長い睫毛。



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