恋ラムネ
そのまま私は男の子の去った森の奥をずっと見ていた…
ニャー
気が付くとネコさんは森の入り口前で待っていた。
「あ、ネコさんまってくださいっ!!」
慌ててネコさんに追い付くと、森は既に抜けていて…
「………かえりましょうかネコさん?」
ニャー
私は歩き出した。
行きに来た道をトテトテと歩く。
その時何度も男の子の事を思い出しながら…
家までの道のり…
夕日でできた長い小さな影が揺れる…
隣を歩くネコさんの影はもっと小さくて…。
(おにいちゃんはおうちにかえれたでしょうか…?)
そんな事を思い、後を振り返る。
森はもう遠くにあって確かめる事は出来ないけれど…
「わたしは…わたしのおうちにかえるです」
きっと男の子もそれを望んでいるはずだから…。
家にたどり着いた私。
目の前には家の扉。
そして後ろには…
ニャー
そう、ネコさんは結局お家まで着いてきたのだ…
さて、どうしよう?;
「ネコさんはおうちにかえらないですか?」
そう聞けばネコさんは足に擦り寄ってきた。
「こまったですね…ネコさんのおうちがわからないです;」
どうしたものかと悩んで居ると……
「苺華ちゃんっ!!?」
「あ、ママ」
お家の扉から出てきたのはお仕事から帰って来ていたママでした。
「ちゃんとお留守番してないと駄目でしょ?心配したのよ?」
「うっ…ごめんなさい…おそといきたかったの…」
怒られてシュンとしていると…
ニャー
「ネコさん…」
ネコさんが更に擦り寄ってきたのだ。
「どうしたの?この子猫?」
「おともだちになりました♪」
擦り寄ってくるネコさんを抱き上げて友達宣言をする私に、ママ何かを考えだすと……
「そのネコさん…家で飼っちゃおっか?」
まさかの言葉に目を丸くする。
「い、いいのですか?」
「丁度ペットを飼おうかってパパと相談してたし…、苺華がちゃんと御世話するなら大丈夫よ?」
その言葉に私は満面の笑みで頷いてみせた。
「よろしくね!!ネコさんっ!!」
ニャー
それが私とネコさんの出会い…
そして……
あの男の子との出会いでした―――…。