初恋恋愛記
だけどある日、親父が釈放されて帰って来た。
___。
「っ…!…てめぇ、よくものこのこと帰って来たな。」
「陸斗っ‼お父さんも反省したんだよっ!…許してあげて…。」
泣きそうな声の曾良の顔を、俺は見れなかった。
「陸斗…。」
久しぶりに聞いた親父の声に緊張してしまう。
「……っ…、母さんは…もう帰って来ないんだ…!…」
震える声でそう言って、すぐさま階段を駆け上がった。
それから、使わずに貯めていたありったけの金と、多少の服を持って、
「お前がこの家にいるなら俺は出て行くっ‼」
そう叫んで家を飛び出した。