水色のストーリー





マジかよ……



女子でテニス経験者、
手を挙げていたのは、
24人中たったの5人。



「……」



教室が、一時、
静まり返った。

男部長が、
その場を取り繕うと笑って声をかける。



「じ、じゃあ、その中で、
男子でも女子でも、
中学の時に県大会まで出場した人、
手ぇあげてー!」



俺はまた手をあげる。

自慢じゃないが、
俺は県大会でベスト16まで行った。

男子の方でも、夏輝、
という男も手を挙げていた。

確か……
夏輝とは県大会であった事はある。



で、問題の女子……



どーせ、
いないんじゃねえのか?



俺は頬杖をついて、
女子の方を見たら

――いた。

1人だけ、
恥ずかしそうに、
手を挙げていた。

ウルフカットの子だった。

目はくっきり二重である。





< 7 / 34 >

この作品をシェア

pagetop