俺様社長は左手で愛を囁く

翔side

今宵、

オレは想い人を手に入れた。

毎日見る彼女の、

毎日、毎時間違う表情。

その顔を、この目に、そしてこの頭に、

焼き付けてきた。

・・・

仕事も優秀、

容姿端麗。

そんな彼女を誰もが尊敬し、

憧れていた。

同じ部署の人間も、そうでない人間も、

彼女に惚れない男はいなかった。

・・・

少しでも近づきたくて、

姑息な手を使った。

コーヒーに睡眠薬を入れて、

彼女を自分の腕の中に…

・・・

夢うつつの中、

オレに抱かれる彼女は、

仕事場では絶対に見せることのない、

甘い表情を見せた。

その顔に、惚れ直した。

・・・

夢から覚めれば、

オレの事など、見向きもしない。

それは覚悟の上だった。
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