俺様社長は左手で愛を囁く
・・・

ダメだ。

冬美に触れたい。

その衝動に駆られ、

彼女を後ろから抱きしめた。

・・・・?!

彼女の息遣いが

荒い事に気が付いた。

「冬美?」

・・・

顔を覗きこむと、

真っ赤な顔をして、

額には汗をかき、

意識朦朧とする彼女・・・


「しょ・・う」

今にも消え入りそうな声で、

オレの名を呼ぶ。

そんな冬美の瞳から、

一粒の涙が落ちた。

・・・

その涙は、

苦しさからなのか。

はたまた別の物なのか・・・

だが、今は、

そんな事を考えている暇はない。

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