俺様社長は左手で愛を囁く
・・・

その晩は、あまりに高熱だった為、

管理入院となった。

オレは、

冬美の傍から一歩も離れなかった。

何度も汗を拭きとり、

彼女の手をそっと包み込んでいた。

・・・

朝。

目が覚めると、

熱はだいぶ下がったのか、

静かな寝息を立てながら、

冬美は眠っている。

深く溜息をついたオレは、

冬美の頭を優しく撫でた。

・・・

「・・翔」

「・・ゴメン起こしたか?」

冬美は首を振る。

オレは微笑み、もう一度優しく頭を撫でる。


「・・翔、あの」

「何も言わなくていい。

昨夜の事が、冬美の答えなら、

オレから離れてもいい・・・

荷物はすべてうちにあるからな・・・

引っ越し場所が決まるまで、うちにいろ・・」
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