俺様社長は左手で愛を囁く
「翔、違うの」

そう言って起き上がった冬美を、

ギュッと抱きしめた。

・・・

心ではそんな事、

これっぽっちも思ってなんかない。

あんな男に、冬美をやるなんて、

嫌なんだ。

・・・

だが、

それで冬美が幸せになれるなら・・・





「オレはもう・・・

冬美を愛してない」





心とは真逆の言葉を、

冬美に言ってしまった。

これがサヨナラの言葉。

・・・

冬美、オレはお前を、

今も愛してる・・・

そっと、冬美から離れたオレは、

それ以上何も言うことなく、

病室を出ていった。
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