俺様社長は左手で愛を囁く
そう言った彼女の顔は、

悲痛に満ちていて、

うっすらと浮かべた涙が、

何とも言えなかった。

・・・

「私じゃ、ダメですか?」


「・・・ごめんなさい」


・・・

長い沈黙が流れた。

数年間の想いを越え、

やっと出会った翔と言う男。

翔と出会って、

冬美はやっと、昔の想いから

解き放たれた。

・・・

それを邪魔したのは、オレ。

彼女の心を傷つけてしまった。

・・・

ここで縋り付くわけにはいかなそうだ。

彼女の幸せを思うなら、

潔く手を引くことも、愛情。

・・・

今ならまだ、

この気持ちを諦める事は

可能・・・
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