俺様社長は左手で愛を囁く
・・・

しばらくして、

彼女を離そうとした時

オレは一点を見つめ、

動きが止まった。

・・・

なぜなら、

俺達の向こうに、

会社から出てきた、翔が、

俺たちを見ていたから。

・・・

冬美はまだ気が付いていない。

・・・

顔が歪む翔に、

何も言わず立ち去ろうとする翔に、

大きな声で言った。

・・・

「お前の気持ちはその程度だったのか?」

・・・

オレの言葉に驚き、

冬美がパッと離れた。


「どういう意味だ?」

その声に体をびくつかせ、

冬美も振り返った。


「…翔」
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