俺様社長は左手で愛を囁く
行く事を拒む美香。

それを強引に人気のない場所へ連れて行く。

・・・

場所が見つかり、

ようやく手を離すと、

必至に息を整える美香がいた。

「な、なんなんですか?」


美香の言葉に、

少し落ち着きを取り戻し、

それに応えた。



「冬美はなぜ、海外に行ったんだ?」


「さっきも言ったけど、

貴方に言う義務はないわ。

社長だからって、強気に出られても、

何も怖くない。

アンタなんかより、冬美の方が大事だから」


オレを見据え、

美香は言い放った。


「今オレは、社長として

君の前にいるんじゃない。

神宮寺翔としてここにいるし、

一人の男として聞きに来た」


「・・・男?

笑わせないで。立派な男なら、

冬美を幸せにできたはずよ」
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