俺様社長は左手で愛を囁く
「オレは、冬美を愛してる」


「ウソばっかり」


「…ウソじゃない。

冬美の事を考えると、

近藤と一緒になる方がいいと思ったから。

彼女の幸せの為に、彼女の元を去った」


・・・

オレの言葉に、

疑いの目で見つめる美香。

・・・

「冬美が貴方の事を、

心から愛してる事に、気が付いてた?」


「・・・え?」

・・・

「冬美の話しを、

ちゃんと聞いてあげようとした?」

・・・

それは、なかった。

彼女の口から、

別れの言葉を聞きたくないがために、

何度も、冬美の言葉を遮った。


「本当の冬美の事を愛してるなら、

真正面からちゃんと受け止めてあげなさいよ!

ここには一生、帰ってこないかもしれない」
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