俺様社長は左手で愛を囁く
『冬美は僕の大事な友人です。

貴方から、冬美を奪う事は、

最初から考えてなんかいなかった。

ただ、大事な友人を、貴方に託していいか、

確かめただけです。

…貴方なら、大丈夫そうだ。

冬美を、大切にしてあげてください』

・・・

紙を読んだ翔は、

マイクを見上げた。

・・・

マイクは、ニッコリ微笑むと、

立ち上がり、

私の方を見つめた。

・・・

『幸せになって』

口パクで言った英語。

・・・

私は涙を堪えきれず、

一粒、二粒、流していた。

・・・

マイクが去って、

私と翔の二人きりになった。

・・・

静かに風だけが、

二人の間を流れていく。
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