俺様社長は左手で愛を囁く
私の涙は止まらないまま、

翔だけを見つめていた。

・・・

翔は私を見るなり、

優しく微笑んだ。

・・・

「人前で、泣かないんじゃなかったのか?」


「だ・・て・・・」


「ここまで来るのに、

時間がかかった・・・

冬美の友人って言う美香?だっけ?

ちゃんとした行き場所を教えてくれなかった。

オレに出した宿題だろうか?

でも、そのおかげで、

冬美の事だけを、考えていられた。

オレはずっとずっと、お前だけを愛してる。

この気持ち、受け止めてくれるか?」


・・・

そう言って、差し出された翔の左手。

・・・

翔にはまだ、

私の気持ちを、

すべて言っていない。

ちゃんと、

伝えなくちゃ。
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