俺様社長は左手で愛を囁く
…この恋はうまくいかなかったけど、

いつか、

恋が上手く行く時が来るだろうか?

・・・

耳の聞こえない僕が、

誰かに愛されることが、

あるんだろうか・・・?

・・・

こんな事を考えていても、

何も始まらない。

今はただ、

親に敷かれたレールの上を、

まっすぐに進んでみようと思う。

「お帰りなさいませ、マイク様」

執事に言われ、手を上げた。

・・・

冬美には言ってなかったんだ。

僕の本名・・・

マイク・スミス。

スミスエンタープライズ、御曹司。

次期社長になるこの僕は、

生まれつき耳が聞こえない。

このハンデを持って、

会社の社長になる事は、

自分の中で許せなかった。
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