俺様社長は左手で愛を囁く
耳の聞こえないマイクに離してと言っても、

聞こえるわけもなく。

私は必死に抵抗した。

体で分かってもらうしかないから。

・・・

私が暴れれば暴れるほど、

マイクの腕の力は強くなる。

・・・

それに苦しさを感じた私は、

一旦抵抗を止めた。

・・・すると、

すぐに、マイクの腕の力も弱まった。

・・・

私は溜息を一つ吐き・・・

マイクの肩を優しく叩いた。

・・・

マイクはそっと私の方に顔を向けた。

「マイク、どうしたの?

言ってくれなきゃわからないわ」

・・・

私の口を読んだマイクは、

そっと私の体を離した。

『…どうしても君が欲しい』

その走り書きに、

胸がキュンとする。

でも、それに応える事は出来ない。
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