俺様社長は左手で愛を囁く
信頼してる。

きっとあれは翔からじゃない。

そう思ってみても、

思い出しただけで、

胸が張り裂けそうだった。

・・・

胸が苦しくて、

息が出来なくて、

私は胸を押さえ、泣き崩れた。

・・・

「早乙女さん」

その優しい声は、

毎日のように聞く、あの人の声だった。

・・・

でも、顔を上げても、

涙で滲んでその人の顔が見えない。

・・・

「・・・そんな顔、しないでください」

そう言って、切なげな顔をした。

次の瞬間、

その人は、私を優しく抱きしめた。

・・・

安心させるように・・・
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