俺様社長は左手で愛を囁く
俺達の後ろから、

冬美の声が聞こえてきた。

・・・

振り返ってみた冬美の顔は、

今にも泣き出しそうな顔だった。

・・・

「私を想ってくれてたこと、

嬉しいです、私なんかを想ってくれて、

感謝したいくらいです…

綾野さんは心の優しい素敵な男性。

そんな貴方の想いに応えられない

私を許してください」


「何を言ってるんですか?

それでいいんです・・・

社長と早乙女さんが幸せになる事が、

私の願いですから・・・」


「想いに応えられないくせに、

こんな事を言うのは筋違いかもしれない。

でも、言わせてください。

私より、はるかに翔との付き合いは長い

そんな綾野さんが、傍にいないのは、

やっぱりダメだと思うんです。

翔の…神宮寺社長のお尻を叩ける秘書は、

毒舌をはける秘書は綾野さんしかいないと思う。

だから、辞めるなんて、言わないで」
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