俺様社長は左手で愛を囁く
「仕事だもの…

右手も汚れてなんかないと思うわ。

でも・・・

そう思ってくれて

左手を使ってくれてたからかしら?

私・・・

翔の、この左手が・・・

どうしようもなく…好きなの」



「・・・え」

・・・

冬美の口から、

初めて好きだと言う言葉を聞いた。

オレは嬉しくて、嬉しくて、

胸が熱くなるのを感じた。

・・・

今までは、

オレの存在自体を

嫌いだと言っていた冬美が、

そんな言葉を言ってくれるなんて・・・

「…冬美」


「…ダメね・・・

私の心には、まだ先輩がいるのに。

翔に魅かれていく自分が・・・

怖い・・・

先輩を忘れてしまうんじゃないかと思うと、

罪悪感で埋め尽くされる・・・

ごめんなさい…翔。

私は自分の気持ちが、

どうしていいかわからない」
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