俺様社長は左手で愛を囁く
そう言った冬美の目には、

涙が溜まっていた。

・・・

忘れられない・・・先輩。

でも、

少なからず、オレへと

気持ちが傾きつつある冬美。

心の中は、

複雑で、

もしかすると、

心が押しつぶされて

しまうんじゃないかと思った。

そう思ったら、

今はまだ、

彼女を見守ろうと思った。

・・・

いつか、心から、

オレを愛してくれるその時まで・・・

・・・

オレは、

声も出さずに泣きだした冬美を、

そっと包み込んだ。

冬美が愛おしい・・・

昔の想い人を忘れられなくても、

そんな彼女だからこそ、

そう思えるのかもしれない。
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