〜Story of one day〜

粉々になった大事な気持ち

さっきまでの気持ちが全部崩れる。



『ブス』




あたしがこの世で1番嫌いな言葉。



中学のあたしはすごくひどかった。成長期の食べ盛りで縦には伸びず横にばかり身についてとにかく太ってた。


それにメガネも掛けててデブでブス。




好きな人にも笑われてこの世で1番醜いって思ってた。




そんなとき親戚の叔母さんが『食べたら吐けばいいのよ。私もそうしてる』


その言葉があたしのスイッチになった。

食べたら吐けばいいんだ。

そうすれば身につくこともないもんね。

お菓子もケーキもご飯も好きなだけ食べて吐けばいいんだ。

そうすれば太らない。

それからあたしは食べて吐いての繰り返しをずっと続けた。

肌が荒れようが喉を傷つけて

血が出ようが指を入れて吐くことが


習慣になってやらなきゃいけない義務だと思うようになった。
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