〜Story of one day〜
「最初から岩瀬には辻宮だったんだよ。俺の入る隙間なんかなかったんだ」




「新しい恋できそう?」





「出来ると思ったんだけどな・・・」




「それって昨日の人?可愛かったよね。なんであの人はダメなの?」





「・・・・お前さ、笠井に彼女がいたらどうした?」




不倫と浮気。全然違う。



でも女の意見も聞いてみたかったんだ。宮部なら的確な意見を言ってくれると思ったから。





「・・・っく」




「み、宮部?ごめん。俺、変なこと聞いたよな。忘れてくれ」





まさか宮部が泣くなんて思わなかった。



だって2人からは本当にお互いを大事に思える気持ちが伝わって来たから。




「たかせは、悪くない。あたしが、っく。勝手に思い出したの」




「元カノとか?」




泣きながら頷く宮部。
なんだ。お前我慢してたんだ。



言いたいことも言えずに今日も嘘の仮面被って1人で耐えるつもりだったんだろ。




「俺、今ならお前抱きしめられるけど・・いい?」




「た、たかせ?」




俺は立ち上がって座ってた宮部の腕を掴んで立ち上がらせた。


もちろん腕は離さない。さあ、早く来いよ笠井。


お前の気持ちちゃんと伝わってないぞ。




「・・・な、にやってんだよ」
< 37 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop