〜Story of one day〜
「高瀬、こないだはありがと」




「えっ?あ、痴話喧嘩ね」




「違うし。でもちゃんと不安な気持ちも全部颯太に伝えたから」




「良かったな」




「うん。高瀬も早くいい恋ができるといいね」




教室に着くと宮部がまた俺の席まで来てわざわざ報告してくれた。




宮部。
俺もお前らみたいになりたかったよ。



お互いをすごく大切に思って好きだって思って育むような恋がしたかった。




「あ、あと未彩にもなんか言ってくれたんでしょ?高瀬くんから大事にしてやれって言われたって。あんたまだ未彩が好き?」




未彩?ああ。岩瀬のことか。
そういやすっかり忘れてたな。





もう今は佑衣ちゃんのことで頭の中は
いっぱいだからな。




「いや。あいつのことはもういいかな」




「そっか。良かった。ありがと」




岩瀬のことが好きだったときよりもずっと今の気持ちのほうが大きい気がする。




ずっと佑衣ちゃんのことばかり考えてる。




明日になれば会える。
でも明日で終わる。
明日になってほしい。



でもなってほしくない。
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