〜Story of one day〜
図書室に行けば会えるかな。



休み時間毎に立ち上がろうとしては
やめる。




行って今日会ってどうするんだよ。
終わりを一日早めるだけにしかならない。




どうせ茉央は学校にいるわけじゃないし黙ってたってわからない。



でもそんなことをして佑衣ちゃんと
会っても佑衣ちゃんに失礼だ。




やっぱり終わるしかない。





「・・・・高瀬くん」





「岩瀬、どうした?なんか俺に用?」





「ありがと。高瀬くんのおかげで風香の悩みを聞いてあげれたよ。風香もありがとって言ってくれた。高瀬くん・・・本当にありがとう」




珍しく岩瀬が俺に話しかけてきて初めて笑った。





「おう。岩瀬、もう俺のことは気にすんな。お前のことはもう吹っ切ったし。ちゃんと好きなやついるから。あ、でも宮部には言うなよ。また俺から言うから」




「うん。良かった。本当に良かった。高瀬くん頑張ってね」





「・・・・おう」





頑張れるなら頑張りたい。
でも頑張れることじゃない。



諦めなくちゃいけない。
俺がそうしたんだから。
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