〜Story of one day〜

今日はバイトがない。
だからそんなに急いで帰らなくてもいい。




俺の足は図書室に向いていた。



一月前に佑衣ちゃんと一緒に勉強した
あの日から一度も行っていない図書室。




扉を開けると本の香りがする。
人はテスト前じゃないからいない。




探しちゃいけないのに佑衣ちゃんのことを探してしまう。


いるわけないのに。




俺の指定席に座った。
一月前には目の前に佑衣ちゃんがいたよな。




あれ？俺、夢を見てるのか？
目の前に佑衣ちゃんが座ってる。




「高瀬くん。ここは寝るところじゃないよ」




高瀬くん？佑衣ちゃんの声なのにそう
呼ばれるだけで胸が締め付けられる。




「びっくりした？私、図書委員長だから頻繁に図書室には来てるんだ」




「そうなんだ」




久しぶりに見る佑衣ちゃんは少し痩せていてでもすごく可愛くて髪型は今日も
お団子。