俺様と闘う私『一部・完』
 「あー、肩凝った」



 ―――いや、何にもしてないじゃんアンタ。



 とか思いつつ、私もその意見には賛成で、緊張でがちがちだった肩の力を緩めた。


 カタン



 小さく音を立てて、隅に置いてあったミニテーブルに皿を置くと、彼はテラス近くにいたボーイさんから受けとったカクテル片手に話し始めた。



 「ってか理香いくつ?」

 「あ、えーっと21歳です」

 「マジ? 俺22。大学生」

 「えぇ!? そうなんですか?」



 と言うと、ちょっとむせてしまった彼。



 「ちょ、それ酷くない? 俺老けてる??」

 「ち、違いますよ。もっと年上かと思ってただけで」

 「ふーん。ま、いいけど。ってか敬語止めようよ。あと俺のことは彼方って呼んでね」

 「へ!?」



 困る。


 非常に。


 私は志貴だけでも結構頑張ってる。


 それなのにここにもまた一人、私に無理を言ってくる奴が居たとは。



 ―――でも、お客様でもないし、年も近いから……いいかなぁ?


 大学生って言ってるし、弁護士さんじゃないもんねぇ?
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