俺様と闘う私『一部・完』
 「ダメ?」



 よくよく見ると男前な彼方くん。


 そんな彼にジッと見つめられ、至近距離で囁くように声をかけられると……


 男慣れしてない私なんかはとっくにタジタジで。



 どうしたらいいか分かんなくなって



 「だ、え……と、ね? えと……」



 言葉にならなくて、変な単語ばかりが口から出た。



 「な、理香。俺、お前がいいわ。絶対大事にしてやるし。嫌じゃなかったら、このままキスさして」



 ―――ぃぇええええ!?



 い、今!!??



 ききききききキスぅぅぅううう!?



 無理無理無理無理!!



 ってか私こんなとこでキスとかしちゃうの?


 初めてを捧げちゃうの?


 そ、そんなの絶対やだぁ!!




 と思ってるその瞬間にも近づいてくる彼方君の顔。



 だ、ダメだ。



 こんな状況に不慣れな私には、突き飛ばしたり出来る力なんてないっ。
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