俺様と闘う私『一部・完』
 これは最早犯罪じゃないのか?


 ―――私の人権とはどこへ!?



 「脱げ、とりあえず」

 「……はぁーいいいっ!?」



 ちょちょちょ、おかしいですぜ旦那!


 いや、おかしいのは私の脳内の方か?



 部屋に無理やり連れ込んだ挙句、脱げっておかしいじゃん。


 ってか、もうやばいですよね?


 ……え、私ってピンチ?




 どうしよう。



 御堂理香、何度も言うけど彼氏いない歴21年。



 セックスどころかキスもまだの純情乙女な乳酸菌飲料配達レディ。


 お客の男にホテルに連れ込まれた挙句に、脱げとのご指示。



 冷や汗がタラリと流れた瞬間。


 くるりと志貴に背を向けて、ドアへと向かった。



 「さ、サヨナラ」



 ドアノブに手をかけて、私はここから出ることを決意。


 したんだけど……



 バンッッ



 後ろから志貴の右腕が伸びてきて、私の顔の前あたりに手が着かれていた。



 「勝手に帰っていいわけないだろ、理香」



 驚異の脅しが私の頭上から降ってきた。
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