俺様と闘う私『一部・完』
 「ぅわぁぁああっ!!」



 ふかふかのベッドに突然放り投げられて、受身が取れなかったものの体は優しく受け止められた。


 そのあまりの柔らかさと、放り投げられたことに対し、変な叫びを上げてしまった。



 「ちょ、し」「風呂入ってくる」



 ―――志貴何するの!?



 って言おうとした言葉さえも封じられて、私はベッドに取り残された。


 志貴はと言うと、だりぃとか言いながらジャケットとネクタイをソファへ放り投げながらどこかへ消えた。


 いや、どこかっていうか風呂? ですよね。



 それにしても……



 私にここでどうしろと!?



 こんなとこに放り投げてどっか行くとかありえなくない?


 私はまたしても沸々と怒りがこみ上げてくるものの、もう朝からの緊張の連続にくたびれていて、体がぐったりしてその怒りもすぐに鎮火した。


 ヒールから解放された足が心地いい。


 ここまで来たら仕方ない。


 やけになった私は、ここで寛ぐことに決めた。
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