俺様と闘う私『一部・完』
暴れまわる舌に翻弄されながら、必死で隙間を縫って呼吸する。
真っ赤になるのを止められなくて、頭に血が上りそう。
というか、上ってしまって。
意識も絶え絶え。
何度も何度も角度を変えては、食べられてるみたいに口づけをされて、私は志貴の勢いに耐えきれずソファに倒れた。
ドサリ
柔らかなソファーが私を受け止めて、ようやく志貴と離れた唇。
瞬間、私は両手で口を塞ぎながら上から覗き込む志貴を見上げた。
「あん、た、ねぇ! 私初心者だし! まだ返事してないじゃない!!」
「だから?」
もう完全に。
かんっぜんにいつもの志貴の顔で。
にやって笑って私を見下ろしてる。
その顔はもうどうにもこうにも、勝てそうにはなくて。
なんとか出来る口だけで応戦する私。
だけど、そんな私の抵抗も空しく―――
「邪魔」
口を塞いだ両手をべりっとはぎ取られて、両手に掴まれた。
もう後は、口と目で闘うしかないじゃない!?
ギッと睨み上げて、それでもムカつくけど憎めない奴。
そんでもって、好きだって自覚しちゃったバカな私。
精一杯の虚勢を張って、絶対に甘い空気になんか出来なくて……
「あんた何様のつもり!?」
なんて全く勝ち目のないケンカを売る。
そしてもちろん、奴はというと―――
「何様かって? 俺様だ!」
口端をニヤリと上げてそう言いきると
「黙ってお前は口塞がれてろ、理香」
くらくらしそうな言葉を吐いて、私の唇を塞いだ。
どうやら私のこれからは、まだまだ彼との闘いが続くみたい。
そして、
「ちょ、志貴! どこ触って……っっ」
「黙れ」
この後の私達がどうなったかは、秘密です。
(fin)
24.4.27
By 桜柚姫
真っ赤になるのを止められなくて、頭に血が上りそう。
というか、上ってしまって。
意識も絶え絶え。
何度も何度も角度を変えては、食べられてるみたいに口づけをされて、私は志貴の勢いに耐えきれずソファに倒れた。
ドサリ
柔らかなソファーが私を受け止めて、ようやく志貴と離れた唇。
瞬間、私は両手で口を塞ぎながら上から覗き込む志貴を見上げた。
「あん、た、ねぇ! 私初心者だし! まだ返事してないじゃない!!」
「だから?」
もう完全に。
かんっぜんにいつもの志貴の顔で。
にやって笑って私を見下ろしてる。
その顔はもうどうにもこうにも、勝てそうにはなくて。
なんとか出来る口だけで応戦する私。
だけど、そんな私の抵抗も空しく―――
「邪魔」
口を塞いだ両手をべりっとはぎ取られて、両手に掴まれた。
もう後は、口と目で闘うしかないじゃない!?
ギッと睨み上げて、それでもムカつくけど憎めない奴。
そんでもって、好きだって自覚しちゃったバカな私。
精一杯の虚勢を張って、絶対に甘い空気になんか出来なくて……
「あんた何様のつもり!?」
なんて全く勝ち目のないケンカを売る。
そしてもちろん、奴はというと―――
「何様かって? 俺様だ!」
口端をニヤリと上げてそう言いきると
「黙ってお前は口塞がれてろ、理香」
くらくらしそうな言葉を吐いて、私の唇を塞いだ。
どうやら私のこれからは、まだまだ彼との闘いが続くみたい。
そして、
「ちょ、志貴! どこ触って……っっ」
「黙れ」
この後の私達がどうなったかは、秘密です。
(fin)
24.4.27
By 桜柚姫