俺様と闘う私『一部・完』
いくつか奴との間で決めごとをして、私はその日職場に戻った。
余計な時間を相当使った私は、戻るなり慌てて帰宅した。
―――やばい。
もうすぐ12時半だっ!
自転車を飛ばして職場から5分ちょっと。
「ただいま! ごめんっ!!」
ドタドタ音を立て、行儀が悪いなと思いながらも、それを無視して走ってリビングに行く。
「あー、理香ちゃんお帰りー。待ってたわよぉ」
「ごめんごめん! おばあちゃん大丈夫?」
「えぇ、今は寝てるわ。後お願いね」
「はぁい。行ってらっしゃい」
何とか時間に間に合ったことに安堵しつつ、私と入れ違いに仕事に出る母を送りだした。
うちには父が居ない。
2年前に病気で死んだ。
気が付いた時にはガンがあちこちに転移していて、もうどうしようもないって言われちゃってた。
亡くなってから、すぐに父方のおじいちゃんも亡くなってしまって……一緒に住んでいたおばあちゃんはいろんなショックが重なったせいか、身体の調子が悪くなった上に痴呆が入り始めた。
そんなおばあちゃんを一人にはしておけなくて、私と母の二人になった家に同居することになったんだけど……
ヘルパーさんを呼べるほどの余裕も、介護認定を受けれるほどの重度でもなくて。
そして祖母も他人を受け付けるのは困難な様子で……
私と母で交互にパートに出ましょうって事になった。
私が正社員で働けばいいんじゃないの? って言ったんだけど、そうすると母が
「私だって、一日お義母さんと居たら気が詰まるわ」
と言った。
私にとっては大好きなおばあちゃんだけど……
痴呆の上に身体も良くはない義理の母と、1日一緒に家にこもるって考えたら、私には想像しかできないけど確かにしんどいのかもしれないなって思えた。
余計な時間を相当使った私は、戻るなり慌てて帰宅した。
―――やばい。
もうすぐ12時半だっ!
自転車を飛ばして職場から5分ちょっと。
「ただいま! ごめんっ!!」
ドタドタ音を立て、行儀が悪いなと思いながらも、それを無視して走ってリビングに行く。
「あー、理香ちゃんお帰りー。待ってたわよぉ」
「ごめんごめん! おばあちゃん大丈夫?」
「えぇ、今は寝てるわ。後お願いね」
「はぁい。行ってらっしゃい」
何とか時間に間に合ったことに安堵しつつ、私と入れ違いに仕事に出る母を送りだした。
うちには父が居ない。
2年前に病気で死んだ。
気が付いた時にはガンがあちこちに転移していて、もうどうしようもないって言われちゃってた。
亡くなってから、すぐに父方のおじいちゃんも亡くなってしまって……一緒に住んでいたおばあちゃんはいろんなショックが重なったせいか、身体の調子が悪くなった上に痴呆が入り始めた。
そんなおばあちゃんを一人にはしておけなくて、私と母の二人になった家に同居することになったんだけど……
ヘルパーさんを呼べるほどの余裕も、介護認定を受けれるほどの重度でもなくて。
そして祖母も他人を受け付けるのは困難な様子で……
私と母で交互にパートに出ましょうって事になった。
私が正社員で働けばいいんじゃないの? って言ったんだけど、そうすると母が
「私だって、一日お義母さんと居たら気が詰まるわ」
と言った。
私にとっては大好きなおばあちゃんだけど……
痴呆の上に身体も良くはない義理の母と、1日一緒に家にこもるって考えたら、私には想像しかできないけど確かにしんどいのかもしれないなって思えた。