俺様と闘う私『一部・完』
 どうやらそんなに不審には思われていないようだ。


 私はほっと胸をなで下ろして、商品をお渡ししてお金を受け取ると、ぺこりと頭を下げて、エレベーターへと向かった。


 呼び出しのパネルまで歩いて、パネルを睨みつけつつ深呼吸した。



 吸って……

 吐いて……



 すぅーーー、はぁーーー



 力を入れて深呼吸をし、いざ魔王の巣窟へ!


 ―――じゃなくてお客様の元へ!



 えいっ!!


 私は部屋番号を2002を入力して、呼び出しを力強く押した。



 ピンポーン



 あ、鳴っちゃったよ、呼び出し。



 ………



 ピンポーン



 …………


 …………?



 ―――で、出ない!?


 2002だよね?



 ピンポーン



 …………



 ピンポーン



 …………



 『はい?』




 やっと出たよ……



 ていうか。


 最悪にご機斜めな声だよ。


 自分で呼びつけといて酷過ぎる。
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