俺様と闘う私『一部・完』
 「こうしててやる」

 「え……?」


 顎にあった手を滑らせて、私の目は急に暗闇にされた。



 「顔、見ない状態なら言える、だろ?」

 「う……」

 「今、言えなかったら、お前これから俺を何て呼ぶつもりだ?」

 「……ハイ、ですね」

 「言ってみろ」



 暗闇でも、奴の目が私を見下ろしているのだけは十分感じる。


 それがやたらと恥ずかしくてドキドキする。



 ギュッ……



 私は、両手を胸元で握りしめてから意を決してようやく口を開いた。



 「し……、き」

 「ん」



 たった2文字がやたらと恥ずかしい。


 顔が火照るのを押さえられない。



 トクトクトクトク




 やたらと早鐘を打つ心臓。


 こんなの初めてで何がなんだかわからない。
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