俺様と闘う私『一部・完』
 って、また一人で戸惑っていたらゆっくり視界が開けられて


 「理香、もっかい言ってみ?」



 上から見下ろして奴はそう言った。



 恥ずかしくて、悔しくて、それが腹立たしくて―――



 だから私は、ギュッと目を瞑ってからカッと開いて



 「馬鹿志貴ーっ!!」



 って、人様の家で恥ずかしげもなく叫んでやった。



 またクツクツと笑い始めた志貴は、それがやたらとツボだったようで笑い収まるまでに数秒を要して



 「バカはお前だろ、理香」



 激しく厳しいデコピンをかまされた。



 それがやけに痛くてジンジンした。




 こうして私はようやく奴を志貴と呼び始めるに至ったのだった。
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