俺様と闘う私『一部・完』
 商品を売っておきながら、そんな失礼なことを思っている。

 もちろん、ストローとか面倒だからいらんって言われたことは一応付け足しておく。


 ―――だよね。


 志貴がストローを袋から出して、プスッと刺してチマチマ飲んでる姿なんて想像に難い。



 というか絵的に無理だ。



 失礼な暴言を吐きまくる志貴と、失礼な妄想をしまくる私と……


 一体どちらが失礼かと言えば五分五分だと思って頂きたい。



 ついでに志貴は、毎日来いというだけあって顔だけはちゃんと出しに来る。


 エントランスからの呼出で自動ドアを不機嫌に開け、そのついでに玄関を開けてるようだ。


 私がドアチャイムを鳴らしても出てこない。


 仕方なく勝手に開けて入るんだけど、ガチャって音でとりあえずは玄関まで来る。



 そして


 「おはようございます」


 と声をかけると


 「はよ」


 時には欠伸しながらとか、本当に面倒くさそうだけどちゃんと挨拶をしてくれる。


 いや、人として当たり前なんだけどね!?


 それで商品をちゃんと手渡しで受け取ってくれるのが、嬉しかったりする。
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