俺様と闘う私『一部・完』
ひんやりしたフローリングに足をつけると、まだ熱が出ているのか寒気が這い上がってきた。
ビクッと体を震わせていると、やっぱりボンヤリしていたのか、目の前にいつの間にか志貴が立っていることに気付くのに時間がかかった。
「あ……」
ありがとうなのか、ごめんなさいなのか。
ムカつく奴だけど、とりあえず何か言わなきゃなと思いながら声が出なかった。
志貴の深いグレイの瞳が珍しく真剣に私を見つめていたから。
真剣に何かを思っている瞳だったから。
「暴れんなよ」
2秒くらいだろうか。
強い視線で見つめられてるな、と感じてぼんやりと見つめ返していたら、そう告げられた。
―――暴れる?
いくら私だって、何もないのに暴れたりなんて……
「ぅわあぁああっ!」
―――暴れた。
だ、だって!
志貴が急に私を抱き上げたりなんかするからっっ!!
私は足をバタバタして、手をどうしたらいいのかとアワアワした。
初めての浮遊感が、私に落ち着きを与えるわけもなく。
しかも志貴の体も、顔も、やけに近い。
熱で不安定な上に、この異常事態に私が耐えられるはずもなく……
脳内は大混乱を来していた。
そんな私に落とされた一言。
「チッ、暴れんなっつったろーが」
至近距離で毒を吐く声が聞こえた。
ビクッと体を震わせていると、やっぱりボンヤリしていたのか、目の前にいつの間にか志貴が立っていることに気付くのに時間がかかった。
「あ……」
ありがとうなのか、ごめんなさいなのか。
ムカつく奴だけど、とりあえず何か言わなきゃなと思いながら声が出なかった。
志貴の深いグレイの瞳が珍しく真剣に私を見つめていたから。
真剣に何かを思っている瞳だったから。
「暴れんなよ」
2秒くらいだろうか。
強い視線で見つめられてるな、と感じてぼんやりと見つめ返していたら、そう告げられた。
―――暴れる?
いくら私だって、何もないのに暴れたりなんて……
「ぅわあぁああっ!」
―――暴れた。
だ、だって!
志貴が急に私を抱き上げたりなんかするからっっ!!
私は足をバタバタして、手をどうしたらいいのかとアワアワした。
初めての浮遊感が、私に落ち着きを与えるわけもなく。
しかも志貴の体も、顔も、やけに近い。
熱で不安定な上に、この異常事態に私が耐えられるはずもなく……
脳内は大混乱を来していた。
そんな私に落とされた一言。
「チッ、暴れんなっつったろーが」
至近距離で毒を吐く声が聞こえた。