俺様と闘う私『一部・完』
 床に足が着くその瞬間


 グイ



 腕が伸びてきて引き寄せられた。



 「ひゃっっ」



 思わず小さな叫び声をあげる。



 そして熱でふらついた体は、その勢いに耐えきれず、ボスンと音を立てて志貴の胸に倒れた。



 「あわわわっ」

 「馬鹿か、寝てろって言っただろうが」



 言い方はきついけれど、なぜか私の背中を優しく擦る手。



 その手がやけに心地いい。



 その心地よさにウトウトしてしまいそうになりながら、体を無理やり起こした。



 「ダメ、だよ。そんなに志貴に、迷惑かけらんない」



 ふらふらの頭でなんとかそれだけ伝えた。



 それなのに



 「いいから寝ろ」



 無理矢理私の体はベッドに押し倒された。
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