俺様と闘う私『一部・完』
 日曜日までってことは、つまり……!?


 「あの……泊まり、なんてこと言わないよね?」

 「その通りだ」

 「こ、困るよ!」

 「貸し1、だろ?」




 そう言ってまたニヤっと笑う。



 そして



 「俺様が看病してやった上に、風呂まで借りたのは誰だっけ?」

 「っ―――!?」

 「しかも挨拶もせずに逃げ帰ったのは?」

 「そっ……!」

 「洗濯までしてやったのになぁ……理香チャン?」



 すごーく、すごーーーく!!


 意地の悪い笑みを浮かべてそう言うのは、昨日はなんてイイ奴なんだ! と思った志貴と相違ないはずで。


 でも言ってることは恐ろしく酷い。


 というか、私の赤面ネタを大暴露してくれる。



 しかも、洗濯って!!!



 「ふ、服と! し、ししし下、ぎって!?」



 あまりの恥ずかしさに、しどろもどろになる私。


 けれど意図は察してくれたらしい志貴は



 「安心しろ、あれは俺がやったんじゃない」



 じゃあ、誰がしてくれたんだ!?


 と疑問が浮かび、それを言おうとしたら



 「じゃあ、来週よろしくな。詳細は前日にでも言う。じゃあな」



 一方的に無茶苦茶を言うだけ言って志貴は部屋に引っ込んだ。



 どうやら出てくる気配はない。



 私は彼が去ったそのあとを茫然と見つめながら、一体どうしたらいいんだろうという思いで頭がいっぱいになった。


 そしてそのまま、挨拶もせずに志貴の家を後にした。
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