俺様と闘う私『一部・完』
「あの、ね。今日帰って来ないから」
「は……?」
流石の母も私の言った言葉が理解できなかったのか、口をパカッと開いて固まった。
「だから、泊まり。ちょっと用が、あって……」
「はぁ」
「明日は! 早めに帰ってくるから! おばあちゃんのこと、よろしくね?」
私が一気に捲し立てるように言っても、未だ理解不能という顔で私を見つめる母。
10秒くらい、見つめあっただろうか。
ようやく落ち着いたらしい母はやっぱり『母』だった。
「あんたも大人なんだから。自分のことは責任持ちなさいよ」
真剣な眼差しでそう言ったかと思った。
「うふふふっ」
と加わったセリフがなければ。
が、しかーし。
「あ、あのねお母さん。私、デートとかそんなんじゃないんだよッ! し、仕事!! 仕事みたいなもんなの!!」
「えー、でも男の人と会うんでしょ?」
「うっ……そ、それはっ」
「ムフッ」
―――ダメだ。
違う違うと言いながらも、志貴が男であることは否定できない。
嘘つけばいいのに、それが出来ない自分が恨めしい。
「は……?」
流石の母も私の言った言葉が理解できなかったのか、口をパカッと開いて固まった。
「だから、泊まり。ちょっと用が、あって……」
「はぁ」
「明日は! 早めに帰ってくるから! おばあちゃんのこと、よろしくね?」
私が一気に捲し立てるように言っても、未だ理解不能という顔で私を見つめる母。
10秒くらい、見つめあっただろうか。
ようやく落ち着いたらしい母はやっぱり『母』だった。
「あんたも大人なんだから。自分のことは責任持ちなさいよ」
真剣な眼差しでそう言ったかと思った。
「うふふふっ」
と加わったセリフがなければ。
が、しかーし。
「あ、あのねお母さん。私、デートとかそんなんじゃないんだよッ! し、仕事!! 仕事みたいなもんなの!!」
「えー、でも男の人と会うんでしょ?」
「うっ……そ、それはっ」
「ムフッ」
―――ダメだ。
違う違うと言いながらも、志貴が男であることは否定できない。
嘘つけばいいのに、それが出来ない自分が恨めしい。