俺様と闘う私『一部・完』
 このままこの母に付き合い続けることは、自分にとってプラスと思えない。


 「と、とにかく! 今日は帰りませんからっっ!」


 言い逃げすることにした。



 自分の部屋に戻ると、またしてもどんな服装で行けばいいのやら……と思案する。



 「もう、どうでもいいのに」



 ぼやきながら箪笥の中を眺めて、ため息が出た。


 どうして私が志貴なんかの為に悩まなきゃいけないんだろう。


 憂鬱になりながら着替えを手にした。




 ――――――



 結局、無難な感じでGパンにキャミを着て、カーディガンを羽織ってでかけた。


 もちろん片手には2日分のヤクルト。


 明日は取りに帰れないから、2日分持ってくことは許されるだろう。


 なんだか気分が乗らないけれど、もうここまできたら後には引けないわけで……


 重い足を引きずりながら私は悪の帝国へ向かう主人公のごとく、勇ましい足取りで奴のマンションへと向かった。
< 82 / 213 >

この作品をシェア

pagetop