俺様と闘う私『一部・完』
 ―――どなたですか?



 とかそういう質問を一切させる時間を与えてくれなくて、指示されたことに対して辞退したい姿勢をみせると



 「ひんむくわよ」



 って凄まれた。


 怖い、チョー怖いあの人。



 ってわけで、渋々服を脱いで風呂場でシャワーに至っているのです。



 大体、私は何が悲しくて、何の因果で、志貴の家の風呂場を2回も使わせてもらっているのやら……?



 あり得ない、普通にあり得ない。


 だって、志貴は曲がりなりにも客。


 そのお客様の家で、優雅に入浴。



 ダメすぎる私……



 ちょっぴり自己嫌悪に陥りそうになりながらも、今回のことは不可抗力と諦めて私は風呂から出ることにした。



 ガチャ……



 軽めに体も洗って、顔も洗って、そして指示通りにしっかりと髪をぬらして脱衣場に出る。




 「―――ナイ」




 そこには服がなかった。
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