俺様と闘う私『一部・完』
 こうゆう場合、どういうリアクションをとるべきなんだろうか?


 私の中では、こういうシチュエーションは全く予想されていなかった。


 だって、前回のように服が濡れていたわけでもないし。


 仮にも、知らないとはいえ同じ部屋に居るのは女性。



 それもかなりな美人な人。



 どういう風に転がったら服がなくなるんだろうか?



 バスタオルをギュッと体に巻きつけて、どうしようって悩んでいたら




 「バスタオルで出てきてねー」



 って、すっごい明るい声で呼ぶ声が聞こえた。



 間違いなく、さっきのアノ女性の声。



 つまり……犯人はあの人か!?



 いくら悩んでも答えが出る筈もなく……



 私は諦めて、さらにキツくバスタオルを締め直してからバスルームを出た。



 「こっちこっち~」



 やけに嬉しそうな声で呼ぶ声が聞こえたので、その方向へと足を向けるとお香のような匂いがする。


 そのまま近づくと、先日来た時には締められていた部屋の扉が開いていた。
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