俺様と闘う私『一部・完』
 そしてその気持ちを


 「ありえないーーー」



 声に出して叫んでいた。


 そんな私を余所に、麗華さんは



 「ハイ。じゃあ寝るー」



 今なお精神混乱状態の私をテキパキと誘導して、ベッドにうつぶせで寝かしつけてきた。


 そして、ギュッと締めていたバスタオルをあっけなくはぎ取る。



 ……そこで、私は意識がカムバックした。



 ―――私、ナニされるんですか!?



 「あ、あの! ひゃぁぁぁああっっ!!」



 あの、と言った瞬間。


 私の背中にベターっとひんやりするものを塗りつけられ思わず叫ぶ。



 「ああん、動いちゃ駄目よ、理香ちゃん。泥パックするからね」

 「泥!?」

 「そうそう。やっぱドレスは背中美人が基本でしょー。大丈夫。最近の美容室はエステもやってるから、任せて任せてっ!」



 私の驚き=泥、とは関係ない方向への配慮された言葉に、私は脱力した。



 どうもこの人と私の話って……かみ合ってるのか合っていないのか分からない。



 この際、腕前だなんて私にとってはどうでもいいんだけど―――



 と思いながら、私は諦めて体をベッドに委ねた。
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