闇と光 弍


「なぁ、愛莉…。俺じゃダメか…?」

泣き止んで、少し落ちついた私に大翔は不安そうに聞いてきた。

「ひろ、と…?」

「今まで、愛莉にヒドイことしてきたのは、わかってる…。でも、そんな愛莉…見てられねぇ…。
アイツの代わりでもいいから…」

「大翔…」

「少し、俺にチャンスをくれねぇか?」

「チャンス?」

「あぁ。一ヶ月でいい。一ヶ月俺の彼女になってほしい。その一ヶ月で赤城のことを忘れさせる。
もし、無理だったらその時は、俺のこと振って赤城のところに行ってくれていい」

真剣な表情の大翔に少し戸惑った。

「それじゃ、大翔が傷つくんだよ…?
私、一ヶ月経っても流星への気持ち変わらないかもしれないよ?それでも、いいの…?」

「あぁ。一ヶ月の間に絶対赤城を越えてみせるから」

自信満々に言う大翔に私は頷いた。
< 205 / 369 >

この作品をシェア

pagetop