闇と光 弍
「えっ…?」
「私もさ、ホントに大好きで、大切な人がいたの。
でも、その人はもう…私のことは眼中になくて…。
諦めようって思っても無理で…」
「愛莉…?」
「諦められないのは和希が、それだけその人のこと想ってるってことでしょ?それだけ好きだからだと思う。だから、諦めなくていいんじゃない?」
「愛莉…。まさか、お前まだ…」
「よし!私の話しはこれだけ。
さっ!ピアス探すよ」
私は、和希の言葉を遮った。
だって…その先聞いちゃうと、泣いちゃいそうだから…
自分の気持ちが、溢れちゃいそうだから…。
和希は、それから黙って私と一緒にピアスを探した。
「和希は、ちゃんと好きな人と幸せになってね…」
和希の背中を見ながら、小さく呟いた。