澄んだ空の下で
どうしようと言わんばかりにさっきまで居た場所に戻って、最後のメロンを頬張る。
あまりにも食べすぎた所為か、満腹感に襲われ、あたしの方こそ睡魔が襲う。
部屋中を見渡しても、やっぱし物凄く広くて一人じゃ勿体ない空間。
奥の方にも何個かの扉があって、ほんとにこの人は凄いんだと改めて思った。
見渡している途中で、ふと目についたドア。
近づくと物凄いバルコニーが見える。
「…失礼しまーす」
とりあえず小さく囁いたあたしはドアを開け、バルコニーに出ると一番端の手すりにしがみ付いた。
「うわっ、何これ…。すごーい」
思わず溢れ出る声。
ガラス張りから見るより物凄い風景。
心地いい風がフワフワと揺れて、あたしの髪をやんわりと靡かせた。
大都会の街が一望できるあな場スポットの様に、盛大に広がる街並み。
丁度オレンジ色と街がマッチをしていて、途轍もなく綺麗だった。