澄んだ空の下で
「えーっ!!若菜、帰っちゃうのー?大丈夫ー?」
なんて、思っても無い様な言葉をサエコはあたしの背後に向かって叫ぶ。
ほら。結局はあたしは要らない。
いるのは恭だけで、あたしと居た恭を必要としてる。
所詮、そんな物だよ。
調子なんて悪くなかった。
でも、だけど、こうなってしまった所為で後から少しずつ本当に気分が宜しくなかった。
サエコと恭が今どんな風に話してるのかも分からないまま、途方に暮れる様に帰る。
どうして、こんな風になってしまったんだろう。
帰ってからも冴えない気分が続いて、頭ん中がめちゃくちゃだった。
また新たに生まれた初めての気持ち。
恭が誰かと居ると、苦しくなる。
辛くなる。
なんでこんな気持ちを抱いてしまったんだろう…
分んない、分かんないからこそ、余計に苦しかった。