澄んだ空の下で
…その瞬間、
「…なんで恭さんがここに居んの?」
どう聞いても聞き覚えのあるアオの声にドクンと心臓が波打った。
ドアを開けることなく、ただドアの前で佇む。
また微かな足音が聞えたかと思うと、
「……」
「つーか、無視っすか?」
再び、アオの声で足音が止まった。
「別に無視なんかしてねぇよ。ただお前とは係わりたくねーだけだ」
「はっ?それ俺の言葉なんすけど、」
「だったら呼び止めんじゃねーよ」
「まぁ、そうなんすけどね。でも、これとばかりは俺としてはハッキリしてほしいんすけど」
「は?」
「アイツの事。…若菜の事どー思ってんすか?アイツがこーやって、引きこもって出れねぇくらいにしたのって恭さんっすよね?]
「……」
「だからここにこーやって来たんすよね?」
「……」
「つか、恭さん好きっすよね、人の女とんの」
…え、今なんて?
アオは何て言った?