澄んだ空の下で
「あっ…」
思わず小さく漏らす声と同時にを電話を切り、
「あの…アオは?」
低く小さな声で言葉を続けた。
「あの子ねぇ…最近帰って来てないのよ」
アオのお母さんは呆れたようにそう言った。
「帰って来てないんですか?」
「そうなの」
「……」
「ごめんね」
「いえ…」
「…若菜ちゃん、また来てね」
「はい。…今日は帰ります」
軽く頭を下げたあたしは、ボーっとしたままの頭でゆっくりと足を進めた。
その帰り途中でも気になったせいか、アオに電話を掛けてみるけど出る気配すらなかった。
その帰り道。
「おっ!若菜ちゃん!」
不意に聞こえた声にビクンと一瞬、肩が上がるもののすぐにあたしは振り返った。
「あ…、アキトくん」
アオとは腐れ縁ってやつ。